クトゥルフTPRGで日本ベースの伝奇物をやる際のいくつかのシナリオフックについて

※本記事は201/08/10にコミケで配った「紙ブログ」の電子版です。

一応アイデアはあるが、頒布物を作る気力が無いのでブログにアップロードしたらいいんじゃね?

と思いつつも、それじゃあコミケに来た意味無いが無いので絶望先生の巻末をパクり、

紙ブログを作ることにした。

 

クトゥルフTPRGについて伝奇ものをやろうとすると幾分か「やれそうでやれない」こと感覚に陥る。

個人的な経験だが裏設定を生かし切るにはかなりのストーリーテラー能力が必要となるし、

卓を囲んでいる間、設定の説明不足で雰囲気が微妙になることが多い(野良であれば尚更)

諸星大二郎星野之宣のマンガを読むと「あ?これクトゥルフでいけんじゃね?」となるが、

重厚な伝奇ものには「歴史設定」がつきものだ。それの説明がダルい。シナリオに挿入する上で簡単なのだとつきものなだけに憑き物にしてしまえば現代でも大正でもやりやすい。大正時代であれば尚更、山間部に日本の因習的なものが残っているのでそこにのっかればかなりやりやすい。

あとは末裔を作って出しちゃうとか。

そんなこんなで、あまり知られていない日本の歴史をいくつか紹介しようと思う。

 

後南朝

朝松健がそうしているように南北朝時代室町時代そのものがクトゥルフの舞台にしやすい。

しかし比叡山炎上を持って使ってもやりたいことをやるには予備知識がかなり必要な印象。

そういえば、比叡山炎上にある修羅技能は伝奇ものにかなり使える。

修羅ロールに成功するとダメージカット・SAN値減少軽減、気絶対抗などまさに修羅である。

話が逸れたが、後南朝はかなりやりやすい。理由は「資料が無いから」だ(創作しやすい)

基本Wikiでも読んでおけば分かるが、破れた王権のその後はかなり伝奇ものにおいて扱いやすい。

詳しく知りたければ一冊、森先生の闇の歴史、後南朝 後醍醐流の抵抗と終焉でも読んでおけばいい。

後南朝を簡単に説明すると、1392年に南北朝が統一した後も、吉野の山奥を拠点に半世紀近く何かしら動乱がある度に南朝の皇子が担ぎ上げられて反乱が起きている一連の行動のことだ。

このテロ活動は応仁の乱(1470年台)まで続く。

また熊澤天皇の存在も忘れてはいけない。明治に水戸学によって南朝が正統とされ、昭和に入り、天皇が現人神ではなくなると既に資料上断絶しているはずの後醍醐天皇自称子孫が大量に発生してくる。

月刊ムーの愛読者ならご存じだろうが、「宮下文書」「竹内文書」といったトンデモ系の偽書も使える。

例として南朝の子孫だと頑なに信じ切っている人間に面白がった神格がいたずらでマジモンの古文書を与えて学会を振るわせ、新興宗教化させていくとか、トンデモ系の偽書にネクロなんとかミコンのような本当の魔術書を紛れ込ませるとか。

宮下文書の一部(というか長慶天皇の記述)は民間伝承や当時の軍記ものがグチャグチャになっているが何やら事実も紛れているとか、紛れてないとか。

 

隠れキリシタン

先日世界遺産に登録されたらしいが、これも良いシナリオフックになる。明治に入り、禁教令が解除された後も頑なに正規のカトリックに復帰しなかった理由とは「先祖代々この教えを守ってきたから、今さら改宗するのは末恐ろしい」が殆どであったらしい。ほら、完全に伝奇じゃないですか。

「おらさぱらいそさいくだ」で有名だが諸星先生の「生命の木」を読めばホラーテイストを感じられると思う。映画も「奇談」として中々優秀な雰囲気をつかむ作品となっている。

書籍としては宮崎賢太郎先生の「カクレキリシタンの実像」がベターであるが、地名論で有名な谷川健一氏も関わっている「隠れキリシタンの聖画」という絶版本も良い。この本に「オセンタク」といってボロボロの聖画を書き直しては書き直し、もはや稚拙な落書きにしか見えないものを崇めていた。なんかそんな記述があった気がする。ビジュアルで分かる、隠れキシリタンの実像が分かる。

私だったら大正クトゥルフをベースにして隠れキリシタンの村の誰かが「キリストの生まれ変わり」を自称したことにして(もちろん裏には神格が絡んでいる)特高等を絡ませるかな。

アクションも出来るし良い感じのシナリオになる気がする。

もちろん改宗させようとするサイコパス神父をだしてもかまわないだろう。

 

流星刀

戊辰戦争で敗軍側の大将であった榎本武揚が隕石に含まれていた金属を用いて作った刀の事。刀使ノ巫女で親衛隊の第2席が使っていたから知った。こんなん完全にクトゥルフで扱って下さいって言っているような題材にしか見えない。調べた限り刀剣乱舞で実装されていないのだが、勿体ないのではないだろうか。まぁ刀に纏わるエピソードは軽く調べただけで胡散臭いものがたくさん出てくる為、調べるのも面白いかもしれない。

クトゥルフにおいて隕石というと「宇宙からの色」だろうか。隕石に封じ込められていた神話生物が鍛錬によって目覚め、刀の持ち主を呪うなどすればファンタジーものに良くある「呪われた刀」のようなシナリオのベースにしやすいだろう。

 

ここまで読んで頂けたら分かると思うが、歴史上「敗北者」の歴史を調べると自然と伝奇モノに辿り着く。古代史であればアテルイアラハバキなど謎めいていて良い。

新刊が出ないことに対するお茶濁しのペーパーであるが、一応こんなことを調べているので次回はちゃんと本を出したいです。

 

とまぁ無料ペーパーなら捌けるだろうと意気込んだが駄目だったので、

紙ブログを電子化することにした。

 本来電子媒体であるブログをあえて紙にするのが紙ブログの良さだが、更にそれをブログに転載する。

承認欲求からくるド変換だ。業務日報をエクセルで作成→印刷→pdf→スキャン→電子化みたいなものか。

勤務先の大規模企業でやっているんだからそうだろう。

冬コミは申し込んだし、あとは本を作る・底本を読むだけか。一番厳しい作業だな。

理想はシナリオ+評論+小説なんだけど3か月でそれは厳しい。

パイロット版くらい出せればいいかな。

思いつく限り書きたいのは

後南朝

・平家の落ち人

榎本武揚

・エンヴェル・パシャ(オスマン帝国

・イングヴァール(ヴァイキング

かな、賢い人なら専門書が1,2冊しかないので先を越すことも出来るでしょう。

まぁ、自分のペースで頑張りますわ。